レキソタンの効果は不安症・不眠症などに作用する

レキソタンは不安症・不眠症の改善効果を発揮

 

レキソタンは「抗不安薬」に分類され、不安症に使われる医薬品となります。また、睡眠効果も持つため不眠症・睡眠障害に利用されることもあります。

 

ここでは、レキソタンがどんな症状に効くのかまとめています。

 

目次

 

レキソタンは効果の使い勝手がいい

 

レキソタンは抗不安薬の中でも比較的人気の高い医薬品です。その人気の秘密は、使勝手の良さにあります。

 

抗不安作用

不安、緊張、焦燥をやわらげたり、抑うつのような精神状態を改善する作用を持っています。そのため神経症や更年期障害の治療にも使われています。神経をリラックスさする働きに優れているため、抗不安薬の中でも強めの抗不安作用があります。

 

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睡眠障害治療

他の抗不安薬に比べて眠気が起きにくいとされていますが、多少の催眠作用があります。そのため睡眠障害治療や不眠症の治療に使われることもあります。レキソタンを服用することにより、緊張状態にあった体をゆっくり休めて眠ることができます。

 

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筋弛緩効果

筋弛緩効果があるため、身体の緊張が強いときや筋肉の強ばりがあるときに使われます。他の抗不安薬に比べて強い筋弛緩作用があるのも特徴です。この作用によって、肩凝りや偏頭痛等の緩和も期待することができます。

 

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レキソタンの作用機序を覚えよう

 

実際にレキソタンの効果を知る前に、「どうして効果が出るのか」を知っておきましょう。レキソタンの作用のしくみ(作用機序)を紹介します。

 

「不安」という感情は、脳が興奮状態のときに起こります。脳が働きすぎることによって、いろいろな考えが一気に浮かんできて不安になってしまうのです。この不安が強くなりすぎると、パニック障害、社会不安障害という形で表れてしまうこともあります。なので、脳の働きを抑えて落ち着かせることが何より重要なのです。

 

 

脳内にCl-(Clイオン)が入ってくると、脳細胞がマイナス方向に傾きます。つまり、脳の興奮はClイオンによって抑えることができるわけです。

 

Clイオンは、GABA受容体やベンゾジアゼピン受容体を活発にすると脳内に入ってくることがわかっています。レキソタンには、GABA受容体やベンゾジアゼピン受容体を活発にする作用があり、結果としてClイオンの流入が増えて、脳がリラックスして不安が軽減されることになるのです。

 

なお、ベンゾジアゼピン受容体は2種類に分かれています。

 

ω1受容体 睡眠作用に関わる
ω2受容体 抗不安作用・筋弛緩作用に関わる

(※ω3受容体もあるが精神作用とはあまり関係ない)

 

ベンゾジアゼピン系医薬品は、「抗不安薬」と「睡眠薬」に分類されますが、それはこのω1受容体、ω2受容体のどちらに作用するかの違いということになります。

 

レキソタンは、どちらかというとω2受容体に強く作用します。そのため、抗不安作用・筋弛緩作用を持つということになるのです。ただ、ω1受容体への作用もあるので、睡眠作用が出ることもあります。

 

レキソタンの効果発現時間は?頓服に使える?

 

次に、レキソタンの効果の発現時間持続時間をチェックしておきましょう。発現・持続時間を知っておくと、もっと上手にレキソタンを使うことができるようになります。

 

発現時間 約1時間
持続時間 約20時間

 

>>血中濃度や半減期について解説

 

レキソタンの血中濃度や半減期については↑の記事をご覧ください。

 

レキソタンは1時間程度で効果発現します。これは抗不安薬の中では早い方です。たとえばデパスは効果発現時間が3時間くらいかかるので、急な不安への対応だとレキソタンのほうが使い勝手は良いと言えるでしょう。

 

そのため、レキソタンは頓服として使われることも多いです。抗不安薬の中では眠気が来にくいほうですし、何かあった時にすぐに対応できる強みがあるのです。

 

頓服として使用される例としては、パニック障害があります。通常はパキシルなどのSSRIで治療をしていくわけですが、パニック障害はいつ発症するかわからないので、頓服として使用できるレキソタンも併せて処方されるわけです。

 

ただ、発現まで1時間程度かかることは事実です。急な不安にも対応しやすいというだけで、不安が起きそうな時間が分かっている場合は1時間前から服用しておいたほうがいいです。

 

レキソタンの効果が見込める症状とは?

 

レキソタンはいろいろな症状で利用されているため、「結局のところ、どんな症状に効果があるの?」というところが分からない人もいるでしょう。

 

ここでは、どんな症状に作用するのかを解説していきます。

不安症・うつ状態・うつ病

 

レキソタンの作用機序で解説したように、レキソタンはGABA受容体やベンゾジアゼピン受容体を活発にします。そうすると、Clイオンが脳に流入し、脳を落ち着かせて不安を抑えます。

 

その効果は臨床試験でもデータ化されており、添付文書で見ることができます。神経症(不安障害やノイローゼなど)の有効率は58.9%(399例/677例)、うつ病の有効率は53.9%(83例/154例)となっています。レキソタンを服用することで、半数以上の人に効果が表れているということです。

 

ただ、うつ病に関してはSSRIの方が有効率は高くなっており、例えばルボックスの場合は61.7%(282例/457例)と6割と超える有効率を誇っています。なのでうつ病の場合は基本的にはSSRIなどの効果的な医薬品が選ばれ、レキソタンについてはサポート役(頓服使用など)にまわることが多いようです。

不眠症・睡眠障害

 

レキソタンには脳の働きを抑える効果がありますが、それによってある程度の睡眠効果ももたらします。とくに、不安が頭をよぎって眠れないタイプの睡眠障害に関しては一定の効果があります。

 

発現時間も服用してから1時間程度と短いので、不安によって入眠障害が出ている場合は便利です。上手な使い方はなるべく就寝直前に服用することです。服用してからお風呂や歯磨きなどいろいろ時間を使っていると、効果発現時間を過ぎてしまい、入眠しにくくなる恐れがあります。

筋弛緩作用

 

レキソタンはベンゾジアゼピン受容体のω2受容体を活発にします。ω2受容体が活性化されると不安が抑えられることになりますが、併せて筋弛緩作用も出ます。そのため、肩こりや緊張性の頭痛などに効果があることがわかっています。

 

なので、レキソタンを服用することで肩こりや頭痛などが改善する可能性はあります。ただ、適応症にはなっておらず、肩こりの治療のみを目的としてレキソタンが処方されることはあまりありません。同じく抗不安薬の「デパス」は肩こりへの適応もあるので、病院で相談した場合はデパスが処方されることが多くなるはずです。なお、デパスの肩こりへの有効率は73.3%(77例/105例)とかなり高くなっています。

 

レキソタンが効かない、効果がないケースは?

 

レキソタンを服用しても、あまり効果が見込めないケースもあります。

 

不安を伴わない不眠症

 

ひと口に不眠症といっても、さまざまな原因があります。

 

心理的要因 仕事・プライベートのストレスが原因の不眠症。
身体的要因 ケガが腰痛の痛み、皮膚などのかゆみ、花粉症やぜんそくのくしゃみ・咳などが原因の不眠症。
薬理学的要因 カフェインやニコチンなどの覚醒作用による不眠症。
精神的な要因 うつや統合失調症、不安症などによる不眠症。
その他の要因 昼夜逆転や時差ボケなどによる不眠症。

 

大まかにあげても、↑のような要因が考えられます。

 

レキソタンは抗不安薬の中では睡眠作用の弱い医薬品と言われています。ただ、不安症に効果があるので、「不安を伴う不眠症」、つまり心理的要因、精神的要因の不眠症に関しては一定の効果を発揮します。

 

しかし、身体的な要因、あるいは昼夜逆転・時差ボケなどの睡眠障害に関しては、あまり効果を発揮しないことが多くなります。こういった症状の場合は、睡眠障害に特化した「アモバン」「マイスリー」などの「睡眠薬」を利用したほうが効率はいいでしょう。

 

レキソタンはあくまで「抗不安薬」なので、日ごろの不安症を取り除く役割が第一です。睡眠障害があってレキソタンだけでは改善しない場合は、医師に相談して別の医薬品を出してもらうなどの対策を行いましょう。

 

レキソタンのジェネリックも効果は同じ?

 

ジェネリック医薬品は、「後発品」と呼ばれる医薬品のことです。医薬品の特許が切れると、他メーカーも全く同じ成分の医薬品が作れるようになり、安く販売できるようになります。

 

レキソタンの場合、「セニラン」という名前でジェネリック医薬品が発売されています。だいたい、先発のレキソタンの4割り引きくらいの薬価となっています。

 

同じ成分なので、当然効果に関しても全く同じです。ジェネリックだから効果が低いということはないので安心してください。

 

まとめ

 

レキソタンの作用によって、脳の働きが抑えられ、落ち着いた気持ちになります。

 

  1. 不安・うつ
  2. 不安をともなう睡眠障害

 

そのため、↑の症状について効果が見込めます。ただ、有効率についは50~60%程度なので、確実によくなるというわけではありません。とくにうつ病に関しては他にSSRIなどの優れた医薬品があるので、そのサポートとして利用されることが多くなっています。ただ、効果発現時間は約1時間と短く、頓服としては優秀な部類に入ります。

 

それと、レキソタンは副作用について考慮する必要もあります。基本的には長期服用になりやすく、依存性・耐性形成リスクもあります。そのためやめたときに離脱症状が起きる問題があるのです。

 

>>レキソタン【副作用解説!断薬時の離脱症状を抑える方法】

 

↑はレキソタンの副作用について解説した記事です。一度ご覧になってみてください。