レキソタンの副作用や効果、離脱症状について

レキソタンの副作用や離脱症状からの断薬について解説

 

こちらでは、レキソタンの副作用、そして離脱症状からの断薬方法をご紹介しています。少々長い記事ですが是非おつきあいください。

 

目次

 

レキソタンとは?

レキソタン(成分名:ブロマゼパム)とは中外製薬が販売している精神安定剤、抗不安剤です。一般的にはうつ病や神経症などの精神科領域で使用される事がほとんどですが、外科などでオペをする前に不安を取り除くために使用される事もあります。

 

服用する事でゆっくりとではありますが、不安な気持ちが和らいでいきます。

 

レキソタンの副作用が出る確率・割合は?

 

まず最初に気になるのは、「レキソタンって、どのくらいの確率で副作用が出るの?」というところでしょう。レキソタンには取扱説明書(添付文書と呼ぶ)があって、副作用の出現率・割合がデータ化されています。6,000件以上の試験から導かれたデータなので、信ぴょう性は高いです。

 

病例

副作用発生確率

6,582例中1,713例

26.03%

参考ページ:レキソタン添付文書

 

↑はレキソタン副作用出現率のデータです。実際の出現率とは多少の誤差がありえますが、それでもレキソタンの副作用出現率はだいたい25~26%と考えてよさそうです。

 

25%って多いの?少ないの? というイメージがわかないかもしれません。なので、他の医薬品と比較してみましょう。

 

医薬品種別

副作用の確率

抗生物質(クラビット、クラリスなど)

約3~4%程度

解熱・鎮痛剤(NSAIDs:ロキソニン、ボルタレンなど)

約3~10%程度

向精神薬(アモバン、デパスなど)

約7~10%程度

 

よく使われる医薬品としては抗生物質や解熱・鎮痛剤がありますが、だいたい3~10%程度となります。レキソタンと同じく向精神薬のアモバン・デパスも7~10%となっているので、レキソタンはそれなりに副作用率が高い医薬品と言えるでしょう。

 

 

レキソタンの精神神経系の症状~眠気、めまい、イライラなど~

 

レキソタンの副作用で一番多いのが「精神神経系の症状」となっています。

 

1%以上

1%未満

眠気(15.69%)、ふらつき(7.75%)、めまい(3.54 %)、興奮、気分高揚

歩行失調、不眠、頭痛、性欲への影響、振戦、構音障害、不安、焦躁感、のぼせ、ぼんやり感、しびれ感

※記憶障害(健忘症、物忘れ)、脳萎縮、幻覚・幻聴、酩酊、ろれつ、朦朧として現れる場合もあり

 

 

眠気 15.69%
ふらつき 7.75%
疲労感 5.74%
めまい 3.54 %

 

上記はレキソタンの副作用の上位4つの症状となりますが、4つのうち3つが精神神経系の症状となっており、それだけ精神系症状が出やすいということが言えます。合算すると4人に1人がなんらかの症状を訴えることになります。

 

精神系の症状が出る理由はいくつかありますが、その中でもっとも有力なのが「レキソタンそのものの作用」となります。例えば眠気についてです。レキソタンには脳の働きを抑え、不安を減少させる効果があります。しかし、脳の作用が落ち着くことで、「眠気」が強くなることがあるです。睡眠障害を抱えた人の場合は好都合ですが、日中に眠気が出てくると困ることになります。

 

また、不安を減らすのがレキソタンの効果ですが、作用が強く出過ぎることもあります。そうなると、気分の高揚や興奮、そしてイライラといった感情が現れる傾向もあります。

 

記憶にも影響を与えてしまうこともあります。主な記憶に関係する副作用としては、記憶障害が挙げられます。主に記憶力が低下してしまい一定時間の記憶が思い出せないなどの症状がみられます。健忘症状もレキソタンを服用することで起こる症状の特徴といえます。

 

また、レキソタンを飲むことによってお酒に酔ったような状態になり、ろれつが回らない、朦朧とするなどの副作用もあります。あがり症の緩和目的で飲む場合は、これらの副作用が出ないことを確認する必要があります。

 

あまりに長期間飲み続けることで、脳が萎縮してしまい認知症になるなどの報告例さえ存在しています。ですので、高齢者の服用は細心の注意が必要なほか、服用する際には過剰摂取は絶対に避けておく必要があることはいえます。

 

 

レキソタンの身体的症状~疲労感、脱力感、だるいなど~

 

レキソタンの副作用で、精神的な症状の次に目立つのが「疲労感」「脱力感」といった身体的な症状となります。

 

1%以上

1%未満

疲労感(5.74%)、脱力感(3.89%)

-

 

倦怠感や疲労感、力が入らないといった身体的な症状も、レキソタンの代表的な副作用の1つとなります。これらの症状は、レキソタンの筋弛緩作用が原因と考えてよいでしょう。レキソタンと似た薬にデパスがありますが、デパスは筋弛緩作用を持ち、そのおかげで肩こりなどに処方されることもあるほどです。レキソタンはそれほど筋弛緩作用が強くないので肩こりに処方されることはありませんが、それでも一定の筋弛緩作用を持っています。

 

レキソタンを服用して筋弛緩作用が強く働いてしまった場合には、身体に力を入れることが上手くできなくなってしまい、「脱力感」「だるい」「体が動かない」といった状態になることがあるのです。その結果ふらつきが多いともいわれています。ですので車の運転や高所作業を行う前に服用することは禁じられていることを覚えておく必要があります。それからスポーツなどの運動も運動能力が低下してしまいますので避けておいたほうが良いでしょう。

 

 

レキソタンの消化器系症状~口が渇く、吐き気、便秘など~

 

レキソタンの副作用で意外と見過ごせないのが消化器系の症状となります。

 

1%以上

1%未満

口渇(2.60%)、食欲不振

嘔気、便秘、胃部不快感、唾液分泌過多、排尿困難、尿失禁、頻尿

※味覚障害、むくみとして現れる場合あり

 

レキソタンの副作用として消化器系の症状が出る理由はさまざまですが、その中の1つに「抗コリン作用」があります。

 

レキソタンはベンゾジアゼピン受容体に作用する医薬品です。そのおかげで抗不安作用・睡眠作用などをもたらします。ただ、他にもレキソタンには「アセチルコリン受容体(Ach受容体)」の阻害作用があることがわかっているのです。

 

Ach受容体は神経伝達物質のアセチルコリンを受容し、副交感神経の管理を行っています。副交感神経は口や食道、胃、腸などの消化器系をコントロールしているので、カンタンに言うとアセチルコリンは消化器系の働きの指揮者の役割を果たしているのです。

 

そこでレキソタンを服用すると、Ach受容体の働きが弱まり、アセチルコリンを受容しにくくなって、副交感神経が乱れて消化器の働きが弱まるのです。

 

口や喉が渇く、嘔気(吐き気)、食欲不振、口内不快感、胃部不快感等

 

結果的に、上記のような消化器症状が出ることになります。

 

また、アセチルコリンは膀胱の働きにも関係しているので、

 

排尿困難、尿失禁、頻尿

 

といった尿の副作用症状が出る場合もあります。

 

消化器系の症状が出るかどうかについては、「体質による」と言わざるをえません。なので、レキソタンによってきつい消化器症状が出る場合は、医薬品の変更もアリでしょう。

 

とはいえ、レキソタンに限らず、デパスやソラナックスなどたいていの向精神薬には抗コリン作用があるので、切り替えても同じような消化器症状がでるリスクはあります。そのため、医薬品を使わなくても不安や不眠を克服することが重要でしょう。

 

 

レキソタンの肝臓や腎臓の症状~肝機能・腎機能障害~

 

レキソタンだけでなく、あらゆる医薬品には肝臓・腎臓への負担があります。

 

1%以上

1%未満

-

AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇、ウロビリノーゲン陽性

 

レキソタンは、肝臓・腎臓を使って代謝・排泄されることになります。この機能があるからこそ、だんだん血中濃度が薄れていき、体からなくなっていくわけです。もし代謝・排泄機能がなければ、レキソタンの成分はずっと体内にとどまることになり、それはそれでまずいのです。

 

とはいえ、代謝・排泄はそれなりに肝臓や腎臓に負担があります。もちろん、健康であればそこまで問題ではありません。しかし、もし肝臓・腎臓の数値が悪かったり、肝機能・腎機能障害を持っている場合は、レキソタンの代謝・排泄作業が負担になって症状が悪化する可能性があります。

 

また、肝臓・腎臓が弱っている人の場合、レキソタンの代謝・排泄がうまくいかないために、効果が出過ぎたり、長時間作用を発揮したりなど、治療にとって都合の悪い事態になることもあります。

 

現在肝硬変などの重度の肝機能・腎機能障害を持っている場合は、レキソタンの服用は慎重に行うことになっています。自己判断では間違いが起きやすいので、必ず医師の診察を受けてから投与を決めましょう。また、「健康診断などで肝臓・腎臓の数値がイマイチだった」と言う人も、念のため医師に相談したほうがよいでしょう。

 

 

レキソタンの過敏症状~発疹・蕁麻疹やかゆみなど~

 

レキソタンに過敏症を起こし、発疹やかゆみなどが出ることもあります。

 

1%以上

1%未満

-

発疹、瘙痒

 

非常にまれではありますが、レキソタンの服用によって、いきなり発疹や蕁麻疹、強い皮膚のかゆみなどが出ることがあります。これはレキソタンに対して「過敏症」を起こしているのが原因と考えられます。

 

過敏症とは、体の免疫機能が過剰反応し、皮膚に発疹・かゆみなどを引き起こす症状のことです。たいていの人は問題ないのですが、まれに過敏症を起こす体質の人がいます。

 

この「過敏症」については、何もレキソタンだけのものではありません。風邪薬や胃薬など、ありとあらゆる医薬品には過敏症のリスクがあり、運悪くそういう体質だった人は特定の医薬品に過敏症を起こしてしまいます。なので、レキソタンで過敏症が起こってしまう場合は、不運と言うほかありません。

 

なお、レキソタンで過敏症が出た場合、その後の服用は絶対NG(禁忌)となります。速やかにレキソタンの服用は中止し、別の医薬品に切り替えましょう。

 

 

レキソタンのその他の副作用

 

レキソタンには、その他にいくつかの副作用症状があります。

 

1%以上

1%未満

-

白血球減少、血圧低下、動悸、視覚障害、胸部圧迫感、四肢冷

感、咽喉閉塞感、発汗

 

レキソタンのその他の副作用としては、まず循環器系・血液系の症状があります。確率としては低いですが、白血球減少や血圧低下、動悸などが目立つことがあるので、こういった症状が見られる場合はその後のレキソタン投与はかなり慎重に行う必要があります。

 

また、ここには列挙されていませんが、生理不順になってしまう女性もいたりなど、低確率ながらさまざまな副作用が現れる可能性もあります。何か症状があって、「もしかしてレキソタンのせいでは?」と思ったときは、すぐに医師に相談したほうがいいです。

 

 

レキソタンの依存性・耐性形成と離脱症状

程度の差はありますが、どんな薬にも依存性・耐性形成のリスクがあります。レキソタンも同じです。

 

依存性とは、薬の中に含まれる成分に体が頼り切ってしまい、症状が改善して薬を飲まなくてよくなっても薬を飲みたくなってしまうことです。

 

そして耐性とは、だんだんと体が薬に慣れて、効果を発揮させるために服用量を増やさなければいけなくなることです。

 

レキソタンにも依存性や耐性はあり、長期間連用を続けていると服用量が増えて依存体質になってしまう傾向があります。特にレキソタンは頓服として使用することが多いので、1日何回までというルールを設定しておかないとだんだんと頓服の頻度が増えて、耐性や依存性が高まってしまうというリスクがあるのです。

 

そして、依存性が高まった状態でレキソタンを減薬・断薬すると、離脱症状が一気に襲い掛かってくることになります。

 

レキソタンの離脱症状とは

レキソタンの連用を続けてからいきなり断薬すると、以下のような離脱症状が起こることがわかっています。

 

頭痛、そわそわする、妄想(せん妄)

 

まず代表的な離脱症状が頭痛です。飲まないでいると頭痛が起こるので、「レキソタンをやめたせいだ」と思いどんどん服用を続けてしまう点も注意が必要です。

 

また、そわそわする、落ち着かないといった症状も認められています。レキソタンを飲むと落ち着くので、その効力が切れたらそわそわするのは当たり前の話です。離脱症状が抜けるまでは、落ち着かない気持ちと付き合うことになります。

 

さらに離脱症状が重症化すると、せん妄が起こることもあります。せん妄とは、頭が混乱して落ち着かなくなり、大声を出したり暴力的になったりなどの状態で、家族や友だちに迷惑をかけてしまうことになります。せん妄は高齢者に多く、そういった意味でも高齢者のレキソタン服用には注意が必要です。